「こんこんばなしの 色んな言葉のお話」は、神社にまつわる言葉を中心に、その言葉の意味や内容をご紹介しながら、ご理解を深めて頂くためのコーナーです。

 古代より、私達の住む日本は、四季に富んだ美しい山河・台地・海の自然から、多くの恵みを得て暮らしておりました。しかし、時にはこの多くの恵みを享受できる美しい自然が豹変し、火山噴火・地震・台風等の発生を受け、多くの被害を人々に与えました。このような中から、自然に向き合う心が変化していき、天と地の自然には恐れ多いそれぞれの神々がおり、その思いから、畏敬、そして崇拝する対象となり、その神々の平穏を願い、豊作大漁などを祈願するようになっていったものです。
古来より、数々の災害に向き合いながらも、自然からの多くの恵みを得ることにより、神々の信仰心が深くなったものと思われます。
 このことから、古代日本では、森羅万象全てに神が宿っているという考え方になり、神様として崇め奉り、お祭りを行いました。
大木や巨岩、あるいは山・海などは、神様が降りられる場所・鎮座される場所とされました。やがて、そこには臨時の祭場を設けるようになり、さらに風雨をしのぐためといった理由などから、建物が造られていき、時代の変遷により、今のような神社の形態になったものです。

更に、古代から語り伝えられていた神話と重なり合い、神聖な場として崇敬され、日本の国造りの原点となった神社が造られたり、また、地域の各地の神々と共に融和しながら、その地域の人々の氏神となった神社等も存在しており、日本全土に神社(神道)信仰が広がりました。
もともと出雲におられた 地の神「大国主命」から 天から降りてきた(天孫降臨) 天の神 「天照大神の孫」への国譲りされた神話の世界の伝聞は、私達の祖先の成り立ちを知る手がかりとなるものです。それは、日本の基礎となるものを創造し、その後の神道の歩みの礎になったことはいうまでもありません。
現代の私達が、雄大な自然の 大木や、巨岩や、滝や、海から昇る太陽を前にして、感動し、思わずお祈りを捧げる姿は、私達の祖先から脈々と伝わってくる 心の鼓動 ではないでしょうか。
神社は、このような神々を祀り、人々それぞれの幸せ・安寧・安息を願い、すべての人々の平和な世界を願い、祈願することが基本です。